社内の信頼を得る

知識習得
入社して3年目ともなると、新人らしさは消えてくる。しかし、まだ一人前とは言えない、という段階に差し掛かる。自動車免許でいえば、若葉マークは外れるレベルだ。まだ一人前とはいえないので、先輩や上長からのマークの目が付きまとう。しかしそのマークを外すには、社内の信頼を得る必要がある。そのマークを外せるようになったら、いよいよ独り立ちし、サボリーマンライフが送れるようになる。サボリーマンライフを達成するための地盤固めとして、この3年目は重要だ。

3年目の目標:マークを外す

化学メーカー営業職における3年目の目標は、新規開拓をする事でも、新規プロジェクトを立ち上げる事でもない。先輩や上長からのマークを外すことだ。マークされているというのは別に嫌がらせではなく、大人が小さな子供を見守るように、道路に飛び出さないように注意しているような状況だ。1~2年目でしっかりやっていたとしても、たかだか2年である。まだまだ心配性な上長や先輩はあなたをマークする。そこでキモがってはいけない。僕はキモがってストレスを溜め込んでいたのだが、自分が先輩の立場になった今、その心がわかった。

大事故を起こさない

先輩・上長が部下をマークするのは、大事故を防ぐ為だ。儲かっている化学メーカーは、儲かっているので、売上アップとかはあまり気にしていない。もちろんゼロではないが、金融や儲かっていないメーカーのように「今月の数字どうなってんだオルァ!」みたいなことはない。なぜなら儲かっているからだ。
そんな化学メーカーで気にする事は「大事故を起こさない」である。現状、うまくいっているのだからトラブルが起きないように努めるのが化学メーカー営業マンの基本だ。まずはそこを理解しよう。
僕は、「数字どうなってんだオルァ!」の世界から来たので、この概念を理解するのに時間がかかった。大事故を起こさないためのエッセンスを説明していく。

会社方針の理解と堅守

会社には方針というものがある。社訓・社是ではない。いわゆるタブーとされる「これは手を出さない」という会社方針のことだ。これは不文律になっているので、特に注意する。
例えば「食品関係には手を出さない」「輸出には手を出さない」などである。1~2年目でいくつか経験すると思うが、それを堅守すること。この方針に反した営業をすると、「コイツはタブーを破ろうとしている」とマークをされてしまう。これは会社方針なのだから、いち営業マンには変えることができない。文句を言っても仕方ないのだ。

メールCCで安心させる

営業の上長と先輩からマークされる原因の一つに「何をやっているかわからない」というものがある。例えば、お客さんとどんなやり取りをしているのか?会社方針に反するような営業活動をしていないか?異常に安い見積を提示していないか?と、いつも心配しているのである。もちろん、日報などもあるだろうし、定期的なミーティングがあるだろう。それでもやっぱり不安なのである。
対策は簡単だ。お客さんとの連絡のメールのCCやBCCに含めてやればいい。この方法はリアルタイムで情報を共有できる。心配性の上司は必ず目を通す。もちろん、基本的に会社方針に従う方向で営業活動を進めているかと思うが、それをこのメールCCにより伝えてやる事ができる。
面と向かって説明するのは何だかんだで時間がかかるし、時間がたてば忘れてしまう事もある。そんな時、こうしてメールに残せば上長はとても安心する。後述する「コントロール下に置いている」と思わせてあげることができる有効な方法だ。
ちなみに面と向かっての「相談」は意外に大変だ。相手も情報を初めて聞き、熟考する間もなく対応しなくてはならないからだ。反射的な判断を要求される。スポーツみたいなものである。
ゆえにメールでワンクッション置いてやる事は配慮にもなる。メールの最後には「後ほど口頭でも相談させてください」と最後に書いておこう。これは上長への配慮である。実際には、メールだけで済んでしまうことも多いが、念のため「相談しますよ」という意思を示してあげよう。

店番として一人前

「大事故を起こさないか」という心配が多少、改善されたなら、次は店番としてお客さんに対応ができる事を示すフェイズに入る。
先述の通り、儲かっている化学メーカーは新規をガツガツ開拓する必要はひとまず無いが、現状の既存客からクレームが出ないようにしたり、仮に出ても被害を最小限に抑えるディフェンス的な仕事が求められる。
大事故が反則負け・ファウルで退場だとしたら、このディフェンスは失点を防ぐ段階になる。

直行直帰は控えめに

僕はこのディフェンス的な営業の仕事を「店番」と呼ぶ。なぜなら店番は基本的にお店にいて、やってくるお客様に対応する事が求められるからだ。繰り返すが化学メーカーは既存客の保護が最優先なので、営業が外を飛び回っていると不測の事態に対してのディフェンス力が弱まるという考え方がある。
今の時代、携帯電話があるから外出していても問題はないのだが、今、現状で権力を握っている層は携帯電話がない時代の人達なので、オフィスにいることを重視する傾向がある。
ただし、日中はオフィスにいると「営業が社内にいるとは何事か」とか言ってくるのでどっちだよと思うのだが、要するに、朝は出社、10時くらいに出かける。16時くらいに帰社する、という1日のタイムスケジュールが基本だ。
僕はかつて、最大効率を求めて直行直帰を組み込んでいたが、それはこの「朝と夕方は会社にいる」という原則から外れてしまうのでマークされる事になった。
「直行直帰が多い。そんなんじゃ、お客さんから要望やクレームきたら対応できないだろ」と注意を受けた。「いや携帯あるし対応できるし」と思うが、それを主張しても仕方がない。ゆえに直行直帰は週1~2くらいが限度であろう。
そう、今の上長たちは店番だから、お店(オフィス)にいなくてはいけないと思っているのだ。確かに、お客さんもそういう年代だから、携帯ではなくまずオフィスに掛けてきちゃう場合も多いので、オフィスに戻る事には一定の意味は確かにある。ただその頻度は少ないので、やはり無駄な慣習といえよう。しかしそれに逆らっても無駄にマークを呼び込むことになるので、適応しよう。また、直行直帰を使うタイミングだが、月曜の朝と金曜の直帰はなるべく避ける。特に金曜の直帰は、上司たちも覚えがあるのか、早めの週末お休みだと思われる。たとえリアルに仕事であっても、そう思われてしまうのではマークされるきっかけを作ってしまう。
(直行直帰の流儀)

提出書類は早く出す

営業マンにも提出書類がある。日報や、在庫報告、値上げの進捗など、ルーティンの提出書類や、緊急の提出書類などがある。それらの取りまとめを上司がするので、早く提出してあげることはとてもプラスになる。
まず、意外と期限を守らない社員が多い。どの職場にも1人はいる。それになってはいけないのはもちろんだが、ギリギリというのもマークされるきっかけになる。特に、管理型の上司の場合にはその期限をかなり気にしているし、そのまとめが遅れたら自分がさらに上、役員などから怒られてしまうので必死である。ゆえに、できる限り速やかに、余裕を持って提出するとマークを外されやすくなる。繰り返すが儲かっている化学メーカーは特殊な環境なので、営業成績よりも社内を潤滑に回す事が優先される。ゆえにこの提出物も上司の大きな関心ごとの一つであり、その期限の遵守は僕らの予想以上に重要なのだ。
提出物を出さないのに直行直帰を繰り返したり、オフィスにいる時間が短いとマークされてしまう。こんな小さなことでマークされてしまっては大きな損になる。

「あなたのコントロール下にいますよ」

これまで説明してきたテクニックの数々は、要約すると「僕はあなたのコントロール下にいますよ」というメッセージを上長に伝えている。
  • 会社方針を遵守し事故を起こしません
  • 進捗をリアルタイムで共有します
  • 店番もちゃんとやります
  • 提出書類も早く出します
これらを行動によって示し、メッセージとする。もちろん1回だけではダメで、半年~1年は徹していく事により信用を得てマークを外す事ができる。それが3年目の最重要項目だと知ろう。永遠には続かないから安心してよい。これを3年目まで徹底して、マークを外す事ができたら、いよいよ俺のターン!となる。その投資として3年目まで投資をする気持ちで、上記を徹底していこう。

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