上司をハックする

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知識習得

「ハックする」とは物事の仕組みを理解し、自分にとって好都合な方向へ誘導すること、その工夫をする行為を指す。この記事では、化学業界に巣くうオジサンたちの生態を理解し、自分に最適な方に誘導していく、もしくは自分が適応する方法について説明する。

サル山の理論

化学業界は昭和の働き方がいまだに息づいている業界だ。新風が吹き込んで来ないから、上下関係を異様に重視する層も少なくない。そして、この手の人たちは相談をされないと異様に怒るという特性がある。まさに、猿山の上下関係を気にしている人たちがいまだに化学業界には生息している。序列は確かに大切ではあるが、その本質である「敬意」から始まるのではなく、形を意識していて手段が目的化している人が多いから僕はこれを「サル山」と呼ぶ。

僕は最初、相談をしろとうるさく言われるのは、相談をしなければ大きなミスが起きるから相談せよ、という意味だと思っていた。実際、そういう場面もあるにはあったが、そうでないことも実は多いことに気がついた。

実は相談という形で「序列を確認する行為」が多かった。相談され、判断を仰がれることに満足感を得るものたちが、意外と多いのだ。営業部の上長はこういう者が多いので、その対処法をご紹介しよう。

相談という儀式

結論から言えば、どんな小さいことも耳に入れてやり、相談をしてあげよう。そういう儀式なんだと思うこと。当たり前のことのように感じるかもしれないが、営業職というのはある程度、単独行動スキルが求められるので相談がおろそかになる者も多いかと思う。営業職の本質は、誰かに責任を取ってもらえることなどない。どこまでいっても、個人責任なのが営業マンという存在だ。

だが注意してほしい、化学メーカーは昭和の世界観だ。それに適応することが、無駄に小言を言われて消耗することを防ぐ技術になる。たとえ「よく考えると、別にあなたに相談する必要はなくないか?」という内容であっても、その上長に相談して、経由してやることで小言を言われなくなる。実際、相談したところで「さらに上に聞け」とか「専門の人に聞け」と言われるだけで、僕は「なんだよオマエ決裁権も知識もないじゃん、それなら別に相談しなくてもよくない?」と思うのだった。

この手のタイプの上長に当たったら、別に必要なくても「相談」という儀式をしてやること。そう、戦略的な意味などないが、儀式として相談してあげよう。たとえ先述のように「本部長に相談しろ」とか言われてオマエ意味ないやんと思っても、儀式なのだから、いちいち腹を立てなくても良い。

なんだか僕の勤務先だけの極論にも見えてきたが、こういうオッサンはよくいるみたいだから、覚えておいて損はないだろう。まさにサル山の理論である。

天動説の死を待つ

天動説が地動説に変わったのは、天動説を信じるものが自然に老いて、死んでいったからである。今、古き良き昭和の価値観は団塊世代の死(定年退職)によって薄まりつつある。とは言え、団塊のチョイ下が実権を握っている現状においては、まだまだ改革は進まないであろう。

だがあと10年経ったら、今40代の人たちが実権を握るようになる。その時までに生き残っておく必要がある。そのための処世術として「儀式」という考え方を紹介した。

天動説が死ぬのを気長に待とうじゃないか。いずれ死ぬとわかっていれば、心持ちも穏やかになる。

処世の極意=ぶつからない

間違っても、天動説の人たちに正論をぶつけて変えようとしてはならない。天動説を信じる人を、変えることはできないのだ。それはもう、変えられないものだと考えて、諦めよう。放置しよう。そして天動説が自然減少していくのを待とうじゃないか。これは一見、権力者に屈しているようにも見えるかもしれない。しかし決して諦めない。

今の権力者たちは変えられないから、適応して、やり過ごす。正しくない、論理的でないとわかりつつも、あえて儀式としてやってやる。そして、天動説が滅んだら一気にやってやる。そういう気概を持って、化学メーカーに潜伏しよう。

こんなめんどくさいことやりたくないよ、と思うかもしれないが、その報酬は比較的高い水準の給与と、低い労働強度と、定時帰りの毎日だ。そう考えたらお釣りの方が大きいと僕は思う。

次章:3年目 自分の色を出す「破」

こうして1〜2年目に化学メーカー営業マンとして業界知識・商品知識・そして社内政治の基礎力をつけることができた。1〜2年目の成果としては十分と言える。そしてその基礎の上に、自分のカラーを付け足していく。守破離において、1〜2年目は「守」であり、3年目からいよいよ「破」を意識し始める。しかし一足とびに「離」に行ってはいけない。その「離」のために必要なステップが「破」のステップには詰まっているからだ。

次章からは3年目からの「破」ステージについて説明していく。

続き:社内の信頼を得る

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