銀のアンカーという漫画がある。有名な「ドラゴン桜」の作者 三田紀房氏が描く、就職活動をテーマとした作品、全8巻。
銀のアンカー
このタイトル、「銀のアンカー」とはどういう意味か。作中では、自分の生き方・働き方を決めることを、船が錨(アンカー)を下ろすことになぞらえている。
金のアンカー
幼い頃から自分の進路を決め、努力すること。これはプロスポーツ選手や医師などのプロフェッショナルを指す。
銀のアンカー
将来の決定を先延ばしにしたため、金のアンカーはもう間に合わない。大学卒業後の進路を決める就職活動において自分の人生に向き合い、満足のいく入社をすることを指す。本作はここにフォーカスし、
- いかにマインドを変えるか?
- 具体的にどう動けば良いのか?
をわかりやすく解説している。ただ僕が思うに、本作は「内定をもらうまで」に集中しているので、入社後のキャリアについては詳しい解説が少ない。それは就活というテーマからして当たり前だから、仕方のないことだ。本サイトではそこを解説していく。
メッキのアンカー
銀のアンカーを目指し、内定を勝ち取った。その時は確かに銀のアンカーなのかもしれないが、実際に働き始めたら、そのアンカーが実は銀のメッキがしてあるだけのサビたアンカーの可能性もある。つまりブラック企業だった場合だ。
もちろん、当初の予定通り銀のアンカーが、銀のアンカーであり続けてくれたら問題はない。でもそうもいかないのが現実。企業もあの手この手でブラックな労働環境にメッキをかけてくる。
銅のアンカー
そこで僕は銅のアンカーを提唱する。金も、銀もダメだったら、次は銅だ。これは転職で実利を追う、コスパの良い生き方と定義したい。
金のアンカーは当然として、銀のアンカーも世間一般にはカッコイイ肩書き・勤め先だ。知名度も高いし、職業自体がカッコイイ場合も多い。もちろんサビたアンカー(ブラック)から転職して、リアルに銀のアンカーへ入社することも不可能ではないと思う。
しかし、入れる確率は低いし、求められる能力も必然的に高くなる。新卒で入るよりもシビアな戦いとなる。その条件・環境に正面切って戦いを挑むのは、正直いってコスパが悪い。コスパの良い生き方、それが銅のアンカーだ。
銅のアンカーの探し方
銅のアンカーは、見栄とか世間体は気にせず、実利を追っていく。そのため親や友達、合コンで知り合う女性にはウケが悪くなるだろう。しかし銀のアンカーがつかめず、メッキのアンカーを掴んでしまった人は、そんなことにこだわっている余地などない。20代のうちに銅のアンカーを掴みに行くこと。正直、30代に入ってしまうと銅のアンカーも怪しくなってくる。なぜなら、求人側も「20代」というスクリーミングをかけてくるからだ。29歳と30歳の間にある溝は、想像以上に深くて広い。
では実際に、どのような企業が銅のアンカーになれる素質があるのか。
- 儲かっている
- 知名度が低い
この2条件は多くのものを内包している。まず、儲かっている会社は商売がうまい。商売が上手いということは、商品が良い上に競合が少ないということ。商品がよく競合が少ないということは、社風がユルくなれるし、ユルくても問題ない会社であるということ。儲かっているので、給与水準も高くなる傾向がある。
次に、知名度が低い会社であれば、応募者が少ない。MARCH以上の学歴の者は、わざわざこういう企業に来ない。旧帝大や早慶はリアルに銀のアンカーを確保できるからだ。そのため、労働者の中での競争がユルくなり、ちょっとの頑張りと成果を出すだけで大きく評価され、時間経過で順調に昇進し、コスパの良い給与を手にできる。ユルいのにちゃんとお金はもらえる。これこそがコスパの良い働き方、銅のアンカーなのだ。
さらこの記事において、コスパの良い会社の探し方を詳しく説明したので参考に読んでみてほしい。
参考記事:現状ブラックの営業マンが転職すべき会社
銀のアンカーがつかめなかった人は、無理に銀のアンカーにこだわらないこと。いわゆる「損切り」をして銅のアンカーをつかみに行こう。僕が思うに、銅のアンカーがつかめたらかなり良いサラリーマンライフを送れる。
金のアンカー、銀のアンカーの人々は輝いて見えるが、実はかなりの努力も要求される仕事だ。成果を出さなくてはいけないし、人気があるアンカーだから、競争相手も多い。そのライバルたちとも戦い続けなくてはならない生き方になる。それを良しとできるかどうかは、自分次第だ。僕は大変だと思う。その銅のアンカー探しには転職のプロであるエージェントに協力してもらうのが効率が良い。自力だけで良い企業を探すのはあまりにも大変だ。
続き:コスパ良い企業の探し方
(2020.3.28追記)本記事で述べた「銅のアンカー」を手に入れる方法をについて電子書籍を書いた。ブラック営業とホワイト営業、その両方の体験から、書いた。法則は確実にある。世の中の営業職は大半、ブラック営業だ。しかしホワイト営業も数は少ないが、存在する。それを見分ける方法を知ってもらえたら、と願っている。この記事でその書籍の詳細と解説をしているので、興味がある人は読んでみて欲しい。ホワイトな営業職は、確かに実在している。
参考記事:転職エージェントをオススメする理由
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