コスパ良い企業の探し方

知識習得

大企業のホワイトな労働環境にある人はこのページにたどり着かないと思われる。ホワイト大企業に入り、高給をもらいつつ休みや時間もしっかりもらえる既得権益の内側に入れるのが日本においては最強だからだ。

そういう仕事ももちろんあるが、そういう大企業は新卒採用が十分に集まるし、東大をはじめとして高学歴の人々が応募するから、文系MARCHがそこに入るのは現実的には難しい。可能性はゼロではないが、すごく低い。だとしたら、そんな確率が低いものを求めるのではなく、実現可能性があるコスパ良好企業に入ることを目指していこう。

コスパ良好な会社とは

本サイトでも繰り返し述べているが、とにかく儲かっている会社に入ることがマッタリホワイトの第一条件だ。しかしながら四季報などを見ると、儲かっている会社は多いし、数が多くて探しきれないとも思う。

また、仮に黒字でもブラック労働が蔓延している会社というか業界もある。僕もかつて勤めていた会社は黒字経営で、実際に儲かっていたが、内情はブラックだった。僕はもうそんな会社で働きたくないと強く思っていたので、真に居心地の良い環境を探したかった。その手法を説明する。

儲かっている業界を探し出す

僕はまず、企業一つ一つではなく、業界で分析した。僕はかつて建設業界で働いていたのだが、業界全体に賃金不足を感じていた。業界全体にカネが足りないなと、営業をしていて肌で感じていた。

当時、それは具体的な数字で言い表せていなかったのだが、数値化・可視化することができたので共有する。経済産業省が毎年出している『企業活動基本調査』には詳細な情報が記載されている。そこには様々な情報が記載されている。

  • 法人数(会社の数)
  • 従事している労働者の数
  • 売上額
  • 利益

ただ、この資料を確認してもらえたらわかることだが、金融や不動産などのいわゆるサービス業の統計データはない。ざっくりと製造業と卸売業、小売業のデータだ。僕としては金融や不動産というマンパワーに頼るタイプの営業はブラックになる可能性大なので除外して考えている。コスパよく、マッタリとした企業とは、先述のマンパワーに頼る労働集約的な会社ではなく、生産設備に重きを置く設備集約的な業界つまり製造業(メーカー)に多いからだ。

就業人数と利益に注目

今回は現時点での最新版ということで『平成29年 企業活動基本調査速報』から数字を引用する。平成29年版だが、中身のデータは平成28年(2016年)のものになる。中でも、僕が重視したのは労働者の数と利益率だ。利益を労働者の数で割れば、どれくらいの賃金が分配されるのかがわかると考えた。もちろん、役職や勤続年数に影響されるので、全労働者がその賃金にはならないのではあるが、全体的な指標になる。僕が考えていた「建設業界の賃金不足」という概念はこれで説明できた。

建築業界のように、数兆円規模の業界であっても、そこで働く人が多ければ、一人当たりの賃金は減る。逆ならば一人当たりの賃金は大きくなる。当たり前だが、僕らは業界全体の規模ばかりに注目しがちだ。

さて、このページを見ているあなたは時間短縮を希望しているだろうから、結論から言う。

化学メーカーで決まりだ。

化学メーカー、一択

先述の経産省の資料はエクセル形式なのですぐに確認、計算ができるのだが、売上高や利益額を労働者の数で割ってみれば、一人当たり売上や利益が簡単に出る。すると「付表1」よりH28年の「製造業」の中の「化学工業」は

  • 企業数 925社
  • 労働者 48万人
  • 売上高 29兆円

という数字が読み取れる。これを1社あたり、そして労働者1人あたりに換算していくと、大体の業界この化学業界よりも悪い数字になる。特に売上高29兆円÷労働者48万人=6,008万円/人という数字は圧巻だ。ほとんどの業界が勝てない。むしろ食品製造業などは3,349万円/人となっている。

唯一、自動車関連の業界(輸送用機器器具製造業)が

  • 企業数 1,333社
  • 労働者 105万人
  • 売上高 70兆円

6,638万円/人となっており製造業で最大規模だ。その次が化学だ。

※石油関連はチート(企業数50、2万人で8兆円=4億円/人)であり、超大企業しかないので文系マーチに縁はないため除外した。

また「付表5」は利益にも言及しており、この表は既に1社あたりの数値で集計されている。それによると化学工業はH28年には下記の数字を叩き出している。

  • 純利益 26.9億円
  • 営業利益率 9%
  • 経常利益率 11%

これは図表の中でもトップクラスの数字で、自動車業界は下記数値となっている。

  • 純利益 31.1億円
  • 営業利益率 4.2%
  • 経常利益率 7.9%

さすがに絶対数では我が国の基幹産業である自動車関連に軍配があがるが、その中身は自動車業界よりも良いということなるのだ。ちなみに製造業は平均で営業利益率4.8%であり世間一般でも製造業は5%の営利が妥当と言われているので化学業界のポテンシャルを十分に感じてもらえたかと思う。

文系が少ないブルーオーシャン

こうして数値で可視化すると、いかに化学業界が優れた収益性を持っているかをわかってもらえたかと思う。特に今回の分析で注目してほしいのは労働者数だ。

化学業界の48万人というのは、下記業界と比べてかなり少ないことがわかる。

  • 自動車 105万人
  • 情報通信業 106万人
  • 卸売業 152万人
  • 小売業 85万人

労働者は労働者同士で競争をする。競争相手が多ければ多いほど、競争は熾烈になる。さらに先述の通り、売上高・利益率でも化学業界は自動車業界に引けを取らない。それなのに労働者数は半分以下なのだ。

これはなぜなのか考えてみたが、やはり化学という単語をアレルギーにしている文系が多いからではないだろうか。自動車やITならば、文系でもやれそうな気がするから、応募する。しかし化学は、最初から無理だと決めつけて、皆、応募すらしない。僕もそうだった。それがこの競争が少ないのに美味しい状況=ブルーオーシャンを作り出している原因だと僕は思う。

さて、狙う業界が化学だと決まったからには、早速次のステップへ進もう。いよいよ転職活動をスタートするのだ。

続き:転職活動を始める、とは
(2020.3.28追記)本記事で述べたように、化学業界はホワイト営業職の可能性が高い。それは商材の持つ性質と、業界の文化によるものだ。そのことについて、電子書籍を書いた。この記事でその書籍の詳細と解説をしているので、興味がある人は読んでみて欲しい。

ホワイトな営業職は、確かに実在している。

コメント

  1. 離心 より:

    素晴らしい記事をありがとうございます。
    ブログを読み、4点疑問に感じました。

    ①儲かっている会社とは、具体的に営業利益額何円くらいの会社を指すのでしょうか?
    ②樹脂以外を取り扱う会社(無機化学、フィルム、ゴム、コンパウンド、塗装、工業用薬品、高純度〇〇、電気材料、半導体用〇〇)は、あまり好ましくないでしょうか。
    ③子会社についてはどう思われますでしょうか。
    ④このような会社は、四季報で探すのは困難でしょうか。(エージェントだけでなくきちんと情報を確認したいため。)

    お時間のある時で構いません。
    ヤコバシ様のご意見をお聞かせ願えれば幸いです。

    • ヤコバシ ヤコバシ より:

      コメントありがとうございます。回答します。
      ①これは規模よりも「率」です。一般的に世の中のメーカー(化学以外も)の平均は5%とされています。もちろん下回っている会社もたくさんあります。ここが10%とかになってくると優良な会社と言えるでしょう。
      ②私が思うに「単純・純粋」なものほどコモディティ品になりやすいですね。純粋なゴムとか安いですが、それを複数種練り合わせると高付加価値の製品となり、①の利益率につながっていきます。また、末端ユーザーである一般消費者に近づくほど値下げ圧力が強まりますので、「顧客が誰か?」も重要です。そういう意味で塗料とかは厳しいのです。しかし例外はいくらでもありますので、やはり①の利益率に着目すべきでしょう。他社が作れないものだから、利益が取れるのです。いくら特殊な技術を持っていても、儲かっていなければ意味はありません。
      ③子会社でも問題ないと思いますよ。ただし親会社の意向でノルマは厳しくなるリスクはあります。結局、ご主人様が誰か?がポイントです。ご主人様が厳しくすればいくらでも厳しくなります。
      ④未上場四季報が良いかと思います。ある程度の規模があり、優良な企業が多く載っています。
      以上になります。

    • 向上平八郎 より:

      先日、感謝のツイートをした者です。
      ヤコバシさんのおかげで転職活動にて一定の成果を出せたことを改めて感謝申し上げます。

      無事に転職活動を終え、入社先を選定するにあたり、化学業界で働くヤコバシさんにご意見お聞かせ願いたいと存じます。

      現在下記の内定先にて悩んでおります。
      どちらも教えて頂いた未上場就職四季報に記載ありの会社です。

      【1】グリースのメーカー
      ・親会社は大手石油販売会社
      ・四季報に売上の記載はなし

      【2】工業薬品、化成品の商社
      ・売上に対しての利益率平均5%
      ・設立100年以上

      どちらも従業員150名程度で、
      月残業時間10時間程度と魅力に感じております。

      下記をポイントに選定しようかと考えております。

      ・会社の存続度が高い(儲かっている)
      ・万が一転職した際に経験を活かせられる

      未経験の為、実際に化学業界に属されているヤコバシさんの意見を聞かせて頂けたら幸いです。

      何卒、宜しくお願い致します。

      • ヤコバシ ヤコバシ より:

        まずは内定確保とのことで、おめでとうございます。下記、回答します。

        メーカーか商社か、ですね。これはもうメーカーで決まりです。
        商社というのは、基本的に自社で商品開発や製造ができません。
        メーカーに「売ってください」「作ってください」とお願いすることしかできません。
        当然、メーカーも持ちつ持たれつの関係ではありますが、最悪、その商社でなくても他の商社を使って販売することはできます。
        また、現在は直接取引も増えており、商社不要論も出てきています。
        郵送やFAXで仕事してた時代には、商社を噛ませることによって複数の材料の決済を一括にできる、
        と言う意味で事務の手間が減るので商社は必要でした。
        今はまだ「昔からそうだから」ということで商社を噛ませていますが、これからハズす流れは加速していきます。
        長瀬産業などの大手化学商社や、大手企業のグループ商社なら別ですが、独立系で中小規模の商社はうまみがあまりありません。
        このあたりは、私の電子書籍の最後の方にも「商社はオススメしない」というコラムを書いたので読んでみてください。
        あと商社は、接待とか社内飲みとかメチャ多いですよ。そういうのが仕事ですからね…あと残業10時間ていうのも
        怪しいですね。私の付き合いのある商社マンはほとんどブラック的な働き方をしています。
        かわいそうですが、商社って、残念ながらそういうものです。
        会社の数字が良くても、中で働く営業マンがキツかったら入る意味はないです。

        メーカーの営業マンになると、自社の商品(今回の場合はグリス)にかなり詳しくなれます。
        製品の特性や、特殊な製法、過去のクレーム事例など、かなり実践的な知識が身につき、今後長く使える知識となることでしょう。
        簡単に廃れる種類の製品ではないはずです。
        ちなみにこういった”踏み入った情報”はメーカーの人間しか知ることができません。
        商社には絶対教えません。当然、企業秘密ですから…

        グリスのメーカー、売り上げの情報がないことが気がかりではあります。
        しかし今回のケースの場合、大企業のグループ会社ならば問題はないと考えます。
        親会社の連結決算に組み込まれていると思われます。
        なのでグループ全体で儲かっているなら良いのではないでしょうか。
        ただ何とか、内情を知りたいので、転職口コミサイト、最悪匿名掲示板などで情報収集したいところです。

        ちなみにさらに転職を考慮する場合、メーカー経験というのは使えると思います。
        メーカーというのは、「売って終わり!ハイ知らねーよ!」とはなりません。化学ならなおのことです。
        採用されて売れ始めてからも、不具合やクレームは必ずおきます。
        それに対処したり、改良する過程こそが、メーカー営業の役割でもあります。
        商社はこういうクレームが起きたらメーカーに投げることしかできません。
        商社が謝っても問題は解決しないわけですし。
        私が思うに、小売とか商社みたいな他社が作ったものを販売代行するタイプの
        営業職は未経験でもできますが、メーカー経験というのはそういう総合力が養われますから
        良いと思いますよ。

        商社は、これからの世の中では厳しいですね。
        昔は商社マンが情報源になりましたが、今はそういう時代ではないです。
        昔は商社マンがお客の偉い人をキャバクラゴルフで接待して情報聞き出して…ていうのがありましたが、
        今のこのコンプラ重視の世の中では通用しないし、そもそもそういう動きはメーカーだってできます。
        本当に、業界では「商社って今さら要るの?」と言われています。
        でも今までの商流を変えるのが面倒、とか、与信管理が面倒、とか、
        最悪客が倒産しても商社を防波堤にしよう(不良債権を商社が負う)とかそういう扱いです。
        ただ長瀬とかの最大手は別格ですが(海外品の専売権がある、等)。

        長くなりましたが、とにかくメーカーにしてほしく思います。
        商社マンって、カッコよさげに見えますが、メーカーがいないとなんもできないんですよ…ほんとかわいそうです。

        参考になれば幸いです。

  2. 離心 より:

    追記;
    ③について、精密化学、添加剤、ファインケミカル、顔料、紙、インク、なども追加です。商流について詳しくないため、見分けるのが難しいです…。

    • ヤコバシ ヤコバシ より:

      一般消費者に近づくほど、キツくなります。化学品は原油を精製して、そこから各種の純粋な物質になります。それを組み合わせて樹脂とか、ゴムとか、繊維などの素材になります。それをさらに加工したり組み合わせて…というのを繰り返していくと、最終的にトイレットペーパーや、ボールペンなどが出来上がります。
      つまり最終製品に近づくほど、一般消費者に近づくほど、勝負が熾烈になります。値段の叩き合いになるのです。そのためできるだけ川上、上流の企業に入ることが肝要です。
      ただし、最上流は旧財閥系の超巨大化学メーカーとなりますので、新卒で入れなければ難しいでしょう。なので、狙い目はそこからさらに1〜2加工しているようなメーカーです。末端製品を作っているメーカーよりも、1〜2段階、川上ならば十分においしいでしょう。

  3. abc より:

    はじめまして。
    ヤコバシさんの本記事や有料のvoicyを拝読し先日ブラック業界から化学業界に転職しました。
    文系マーチ以下の学歴、また完全な異業界からの転職であった為、メーカーの求人が無く商社への転職になりました。ですがホワイトな様相をしっかり感じ取れ、「化学」の凄さを感じております。
    ただしヤコバシさんも仰られているように商社は旨味が少ないため、いずれはメーカーへ行きたいなと考えております。このような商社を一回噛ませ、メーカーに転職するキャリアをヤコバシさんはどのようにお考えでしょうか?また具体的な方法(私が思うには英語等で市場価値を高める)についてもご教示いただけますと今後の参考になります。宜しくお願い致します。

    • ヤコバシ ヤコバシ より:

      コメントありがとうございます。回答します。
      メーカーの求人がないのは、タイミングもありますから致し方ないことでもあります。私の勤務先も、数年ぶりの採用活動だったとのことでしたので、自分ではコントロールできない部分もあります。
      ひとまずブラックからは抜け出れた、とのことで私も嬉しく思います。化学業界の商社も、悪くはないのですが美味しくはない、というのが私の感想です。
      一旦、化学の商社を噛ませるという作戦はアリだと思います。これであなたの履歴書には「化学」の属性が付いたのですから。現状では、どんな会社がどんな化学品を作っているか、またシェアや勢力争いなどがどうなっているか、わからないかと思いますが、実務をしていく中で、徐々にわかってきます。おそらく半年くらいで、勢力関係はわかるかと思います。
      その段階で「アレ?この会社地味だけど強いな」という会社が出てきますから、そこにうまくツテを使って入るのが良いかと思います。
      もちろんエージェント経由でも、その企業のHPから直接応募でも良いです。もしくは、担当者と面談して「今、若手営業がいなくてさ〜」とか言うかもしれません。実際、商社からメーカーに転職しちゃった事例はいくつもあります。ですから、業界に詳しくなって、その上で「ここに入りたい!」という会社が見つかれば志望動機としても強いのではないでしょうか。
      英語については、正直、あまり差別化になりません。そういう通訳的な仕事は、それこそ商社マンの仕事です。強いて言うならば中国語や韓国語などができればかなり強いですが、その場合は海外駐在とか頻繁に海外出張する部署にいかされてしまい、全然サボれないかと思います。それでは意味がないと考えます。
      私が推奨するのは、良い商材(化学品)を見つけたら、それについて詳しくなることです。実務に精通し、知識経験を備えた人になることです。そうすれば自ずと新規開拓できますし、会社にとって必要不可欠な人材になれます。その時に語学は、商社に外注すれば良いのです。このように語学は外注できますが、化学品の知識経験は外注できません。
      まずは、「これ強ぇ商材だなあ!」という化学品を見つけてみてはいかがでしょうか。

      • ヤコバシ信者 より:

        素晴らしい記事に感動しております。私は現在MARCH3年で食品業界の就活に臨もうとしております。しかし、食品の文系就職は厳しいということを耳にし、悩んでいたところでした。この記事を数日前に読ませていただき、優良企業をとりあえず探しました。
        これからもヤコバシ様の記事を楽しみにしております!記事更新の方、頑張ってください!

        そして、もし差し支えなければ私の就活指導を是非していただきたいと思っております。

        • ヤコバシ ヤコバシ より:

          コメントありがとうございます。参考になったようで、嬉しく思います。
          そうですね、食品は人気なので狭き門になると思いますね。特に著名な上場企業は…
          優良企業とは、つまりは利益率が高い企業です。しかし、儲かっていても、営業マンがシンドいところも多いので気をつけてください。
          就活指導は、キリがないので個別対応は…すみません。どうしても、ということであればサウザーさんの白熱教室「意識低い系転職のススメ」Vol.5の紹介文の末尾にある手段からメール送ってください。
          これは、単なる販促ではなく白熱教室でかなりのところ話しましたので、それをまず聞いて欲しいのと、聞いた上でなお、わからないことがあれば質問してください、という意図です。

  4. abc より:

    ご丁寧に、具体的にお教えいただきありがとうございます。
    まずは実務の力をつけていきながら、メーカーへの転職を見据え、良い商材を見つけられるようアンテナを張っていきます。
    今後とも有益な情報発信を宜しくお願い致します。

    • 向上平八郎 より:

      先日、感謝のツイートをした者です。
      ヤコバシさんのおかげで転職活動にて一定の成果を出せたことを改めて感謝申し上げます。

      無事に転職活動を終え、入社先を選定するにあたり、化学業界で働くヤコバシさんにご意見お聞かせ願いたいと存じます。

      現在下記の内定先にて悩んでおります。
      どちらも教えて頂いた未上場就職四季報に記載ありの会社です。

      【1】グリースのメーカー
      ・親会社は大手石油販売会社
      ・四季報に売上の記載はなし

      【2】工業薬品、化成品の商社
      ・売上に対しての利益率平均5%
      ・設立100年以上

      どちらも従業員150名程度で、
      月残業時間10時間程度と魅力に感じております。

      下記をポイントに選定しようかと考えております。

      ・会社の存続度が高い(儲かっている)
      ・万が一転職した際に経験を活かせられる

      未経験の為、実際に化学業界に属されているヤコバシさんの意見を聞かせて頂けたら幸いです。

      何卒、宜しくお願い致します。

      • ヤコバシ ヤコバシ より:

        (同様の内容です)
        まずは内定確保とのことで、おめでとうございます。下記、回答します。

        メーカーか商社か、ですね。これはもうメーカーで決まりです。
        商社というのは、基本的に自社で商品開発や製造ができません。
        メーカーに「売ってください」「作ってください」とお願いすることしかできません。
        当然、メーカーも持ちつ持たれつの関係ではありますが、最悪、その商社でなくても他の商社を使って販売することはできます。
        また、現在は直接取引も増えており、商社不要論も出てきています。
        郵送やFAXで仕事してた時代には、商社を噛ませることによって複数の材料の決済を一括にできる、
        と言う意味で事務の手間が減るので商社は必要でした。
        今はまだ「昔からそうだから」ということで商社を噛ませていますが、これからハズす流れは加速していきます。
        長瀬産業などの大手化学商社や、大手企業のグループ商社なら別ですが、独立系で中小規模の商社はうまみがあまりありません。
        このあたりは、私の電子書籍の最後の方にも「商社はオススメしない」というコラムを書いたので読んでみてください。
        あと商社は、接待とか社内飲みとかメチャ多いですよ。そういうのが仕事ですからね…あと残業10時間ていうのも
        怪しいですね。私の付き合いのある商社マンはほとんどブラック的な働き方をしています。
        かわいそうですが、商社って、残念ながらそういうものです。
        会社の数字が良くても、中で働く営業マンがキツかったら入る意味はないです。

        メーカーの営業マンになると、自社の商品(今回の場合はグリス)にかなり詳しくなれます。
        製品の特性や、特殊な製法、過去のクレーム事例など、かなり実践的な知識が身につき、今後長く使える知識となることでしょう。
        簡単に廃れる種類の製品ではないはずです。
        ちなみにこういった”踏み入った情報”はメーカーの人間しか知ることができません。
        商社には絶対教えません。当然、企業秘密ですから…

        グリスのメーカー、売り上げの情報がないことが気がかりではあります。
        しかし今回のケースの場合、大企業のグループ会社ならば問題はないと考えます。
        親会社の連結決算に組み込まれていると思われます。
        なのでグループ全体で儲かっているなら良いのではないでしょうか。
        ただ何とか、内情を知りたいので、転職口コミサイト、最悪匿名掲示板などで情報収集したいところです。

        ちなみにさらに転職を考慮する場合、メーカー経験というのは使えると思います。
        メーカーというのは、「売って終わり!ハイ知らねーよ!」とはなりません。化学ならなおのことです。
        採用されて売れ始めてからも、不具合やクレームは必ずおきます。
        それに対処したり、改良する過程こそが、メーカー営業の役割でもあります。
        商社はこういうクレームが起きたらメーカーに投げることしかできません。
        商社が謝っても問題は解決しないわけですし。
        私が思うに、小売とか商社みたいな他社が作ったものを販売代行するタイプの
        営業職は未経験でもできますが、メーカー経験というのはそういう総合力が養われますから
        良いと思いますよ。

        商社は、これからの世の中では厳しいですね。
        昔は商社マンが情報源になりましたが、今はそういう時代ではないです。
        昔は商社マンがお客の偉い人をキャバクラゴルフで接待して情報聞き出して…ていうのがありましたが、
        今のこのコンプラ重視の世の中では通用しないし、そもそもそういう動きはメーカーだってできます。
        本当に、業界では「商社って今さら要るの?」と言われています。
        でも今までの商流を変えるのが面倒、とか、与信管理が面倒、とか、
        最悪客が倒産しても商社を防波堤にしよう(不良債権を商社が負う)とかそういう扱いです。
        ただ長瀬とかの最大手は別格ですが(海外品の専売権がある、等)。

        長くなりましたが、とにかくメーカーにしてほしく思います。
        商社マンって、カッコよさげに見えますが、メーカーがいないとなんもできないんですよ…ほんとかわいそうです。

        参考になれば幸いです。

        • 向上平八郎 より:

          【返信】
          お早い回答ありがとうございました。
          大変参考になります。

          ちなみに、商社の方は生産機能も有していますが、これは他社と比べて差別化になると考えてるのですが、どう思われますでしょうか?

          内定メーカーと比べて、勤務地や福利厚生が魅力なので少し商社に揺らいでしまう自分がいます。笑

          • ヤコバシ ヤコバシ より:

            生産機能も持つ商社、確かにありますね。それなら話は変わります。仰る通り単なる商社(生産設備がない)とは明確に差別化できていると言えるでしょう。
            しかし注意すべきは「自社で開発できるかどうか」です。焼き鳥屋で例えるなら「自社設計の秘伝のタレ」を作れているかがポイントになります。
            秘伝のタレではなくて、純粋な塩の工場だとすると、安値競争になりがちです。ただ、純粋な塩であっても、既に圧倒的シェアを持っているとか、その会社の設備でしか作れないとかなら、アリです。会社組織図が見れるなら「研究開発部」とか、「技術部」がありますか?もしくは研究所そのもの。そういう開発行為をしていないとなると、単純なものを大量生産しているだけかもしれません。
            とにかく「コモディティ化」している商品は避けましょう。コモディティしているかどうかは、その品物の名前(化学物質の名前)をネットで検索してみて、いろんな会社が作っているようなら、コモディティでしょう。
            また、可能であれば売り上げに占める割合のうち、商社的な方と、メーカー的な方、どちらが割合が多いかもポイントになります。
            メーカー的な機能が主体で、商社機能がサブなら良いと思います。それはメーカー側面が強いと判断できるからです。そういう商社も確かにあります。
            とはいえ、勤務地や福利厚生に魅力があると感じるならそれもまたメリットでしょう。平八郎さんが結婚しているかどうか、彼女がいるかどうかでも変わってきます。
            僕が個人的に商社を推奨しないのは、あまりゆるふわできる要素がなく、普通に仕事に取り組まなくてはならないからです(とはいえ他業界の商社よりはユルい)。
            あとはもう、離職率や内情や評判をネットで調べましょう。結局、辞める人が多い会社は良くないです。
            建築業界からの転職なら、明らかにライフワークバランスは良くなるでしょう。化学商社なら、普通の労働環境で普通に働けます。僕のようにゆるふわはできないですが、悪くはないと思います。事実、定年まで続ける人もたくさんいます。なので一度入ってみて、自分の履歴書に化学の属性を付けるのもいいかもしれません。化学業界経験者となれば、メーカーへも移れなくはないと思います(年齢にもよりますが)。
            だからもし、総合的に考えて商社を選ぶのなら、止めはしません。しませんが、もし「やっぱり商社きついわ」と思った時は、無理せずメーカーへの転職を検討してください。
            もし僕も、元々の自分の拠点から遠く離れたところが勤務地で、彼女と離れ離れになるとなっていたら今の勤務先は選ばなかったかもしれません。そういうのは、確かに合理的ではないのかもしれませんが、ヒトの心情としては致し方ないことかと思います。
            ご参考になればうれしいです。

            【追記と訂正】前の回答で「商社はブラック的働き方をしている」と述べつつ、この回答では「化学商社は普通の労働環境」と述べてしまい、矛盾が生じました。これは、私からみたら「普通の働き方=ブラック的」に見えてしまうからです。完全に僕の主観でした。ブラックではなく「世間並みに働いている」ですね。
            朝8時より前、そして19時ごろにメールが商社から来てます。さすがに6時とか21時とかはないですが、そういうことです。また彼らは接待も多いようで、年末なんかは1週間毎日忘年会とかあるみたいですね。それらは、僕から見たらブラックなんだけど、世間一般から見たら「社会人として頑張って仕事してるな!ヨシ!」というレベルだと思います。

  5. 向上平八郎 より:

    【返信-2】
    商社に関しては「生産・開発部」という部門がありましたが、売上比率10%かつ、化学物質を調べて見ると富士フイルムが販売してたりと、秘伝のタレではなさそうなでした。
    しかし、若手社員と2人でお話する機会があり、実質残業が本当に少ないと聞き、感覚的には建築にはない、化学業界のホワイトで余裕のある空気が漂っているなあと感じていました。笑

    私も今年28で、今の彼女と結婚を考えています。キャリア的な目線と総合的な目線の双方で考える必要があると思いますので、ヤコバシさんの意見を参考に、熟考してから決断しようと思います。

    お会いさせてもらったこともない私に、中身の濃い、かつ圧倒的な情報量を送って下さりありがとうございました。ヤコバシさんの、事実を率直に伝えて下さる文章はとても魅力的で、化学業界以外の事も大変勉強になります。本当にありがとうございます。

    • ヤコバシ ヤコバシ より:

      商社部門がメインのようですね。富士Fが同等品を作っているとのことですが、寡占が進んでいる場合もありますので一概に悲観することはないでしょう。大企業が撤退する、ということは往々にしてあります。
      若手社員の証言があるなら、労働環境については問題ないと思います。さすがの化学業界ですね。
      散々商社を悪く言ってしまいましたが、世間一般から見れば、間違いなく化学業界の商社は健全な働き方ができます。ただゆるふわか?というと、適正かな、というレベルなので僕はあくまでメーカー推しというだけです。
      ただし、結婚を考えている彼女がいるなら、やはり総合的に考えてください。多少、雇われ人卒業が遅れたとしても、良き伴侶はかけがえのないものです。
      参考になればうれしいです。

      • 向上平八郎 より:

        【返信-3】
        プラントもあり、生産量を増やす為に今後設備投資を数億円単位で行うと社長が仰られており、一定の需要があるのかなと感じております。

        また、メーカーに関しては明日社員の方と直接面談して頂けることになりました。
        せっかくの機会なので聞きたいことを全て聞き、総合的な判断をする為の材料として活用します。

        前職時代、支店長に「ここより良い条件の会社は無い」と言われたことがずっと胸に刺さっていました。しかし、ヤコバシさんのコンテンツに出会って行動し、成果をあげる事で、そんなことは無いと自信を持って言える事ができました。

        会社の選択は人生を大きく左右するので、将来のパートナーとの生活も考えた上で判断します。
        化学という道を示して頂き、ありがとうございました。

        • ヤコバシ ヤコバシ より:

          メーカーの社員さんには市場のシェアをどれだけとれているか、またそれは何故なのかを聞いてみると良いと思います。代替不可能で依存性が高い原料であれば、かなりゆるふわな営業マンになれるでしょう。

          初めての転職は、みんな怖いですよね。私もそうでした。また、どこへいってもブラックなんじゃないかと、あきらめていました。私は偶然にも、化学業界に漂着して助かったので、その経験を、ブラックで苦しむ人に共有できたらと思って、このブログを始めました。こうして、一人でも助けられたのならこの1年半の取り組み(ブログ開設から)は無駄ではなかったと、自分も嬉しく思います。

  6. ひー より:

    いつも読ませて頂いております。

    ①私現在、化学メーカーで利益率10%かつ非上場の営業職を探しています。しかし、なかなか採用がありません。そこでかわりに機械部品の会社に手を広げているのですが、そこ(機械メーカー)でもゆふるわできると思いますか?(大手で)例として挙げさせてていただくなら、日東工器さん、キッツさん、TPRさんのような、化学ではないけれけど、利益率が10〜20%くらいあり、ルート営業と明記され、残業や離職もともに10〜20以下の優良(な感じがする)な会社さん達です。もちろんこれらは大手なので、現実には更なる中小や非上場企業を狙っています。化学メーカーとの違いは製品のパクられやすさと、変化の速さかなと思います。

    ②また、化学の利益率5%と、機械の10%ならどちらがいいと思いますか?

    ③質問は独立の手法へ変わるのですが、ヤコバシさんは勝手ながら首都圏住まいのような印象ですが、サウザーさんはルート営業の田舎でボロ物件をされていたと思います。小規模なメーカーの営業職だと営業所が東京にしかなく必然的に東京に行かされてしまうと思うのですが、ボロ物件を狙うなら地方の企業かあるいは地方に営業所がある企業を狙ったほうがいいと思われますか?それとも、ふんどし王子さんやポールさんのように工場で働ける生産管理などを狙ったほうがいいのでしょうか。

    • ヤコバシ ヤコバシ より:

      回答します。
      ①化学みつからん。機械でもいいのか。
      まず、見つからないのはこのコロナ不況のご時世、仕方がないかもしれません。とはいえあきらめないでほしく思います。いつかは出ると信じて、定期的に探し続けてください。私の勤務先も10年に1回のタイミングに偶然、出会えました。
      さて機械について。まず挙げていただいた大企業のHPを確認しました。どうやら、その機械というかパーツで、かなりのシェアを誇っている模様。こういうシェアを取れている会社はゆるふわです。
      では、それ以外の機械メーカーについて私見を。別に悪くはないと思いますが、ゆるふわの要素がいくつか減ります。「長く変わらない」と「リスクの分散」です。
      まず化学業界の物質は全く斬新で新しいものがメインの業界ではなく、昔から売っている化学品を安定供給するというのがメインです。
      逆に機械系は技術革新が毎年あり、常に新しくて付加価値の高いものを作り続けなくては、生き残れないのではないでしょうか。とはいえ、これも一概には言えず、昔からずっと同じものを変わらず供給しているような機械メーカーもあることでしょう。そういう「同じものを長く〜」という性質が大切です。勝手にリピートオーダーされるような商材の性質です。
      常に新しいものを開発するとなれば、営業マンの負担は当然、増えます。勉強もし続けなくてはならないでしょう。積み上げの効率が化学より落ちます。化学はひたすらに知識経験が積みあがっていくので無駄があまりないところを、機械は短めの期間で、新しい技術にて塗り替えていくことになると思います。とはいえ、これ自体は世の中の仕事全般から見たら、当たり前のことなので過度に心配はしなくていいです。ただ化学が圧倒的に積みあがるからお得ですよというだけです。
      また機械は、どんなものかにもよりますが、大きな技術変革が恐いですね。自動車なら、本格的にガソリンから電気に切り替わったらガソリンエンジンに付随する産業は一気に衰退すると考えられます。化学は比較的、幅広い業界に展開しているパターンが多いので、それもリスクヘッジになるでしょう。化学品のほうがそのリスクが低いと思います。分散しているので即死はないでしょう。今回のコロナの影響も。自動車業界は被害甚大ですが、食品関連や包装資材などは伸びました。結論として、機械は”普通・適正”と思います。

      ②化学の5%と機械の10%どちらがいい?
      私見ですが、化学ですね。%の数字はともかくとして、営業マンの働き方が違うと思います。化学は、勝手に毎月売れます。常に新規開拓をしなくてはならないタイプの営業はキツいです。機械は毎月壊れることはないでしょうから、常に新規を探さなくてはいけないと思います。勝手に売れるから、化学営業マンはゆるふわなのです。

      ③首都圏と田舎
      私は東京近郊在住です。確かに東京都や、そこに近い地域ではボロ戸建て投資はできません(地価が高い)。ただし、そこからさらに50km、100km離れると結構地価は下がってきます。鉄道や高速道路、空港の影響も受けます。首都圏なら、栃木や茨城、千葉の東側なんかは結構手が届くし車でいけると思いますよ。私もそんな感じで物件取得を狙っています(DIYはやらない方針)。
      工場の生産管理はオススメしません。”普通に”働かなくてはいけないからです。営業マンは「お出かけ」できるから美味しいのです。

  7. ひー より:

    (※私はゆるふわではなく独立が夢です。)
    ④(コロナで情勢が変わったかもしれませんが)サウザーさんのベンチャーをパクる→起業ルートにも興味があります。また、就活YouTuber大手のutsuさん、株元さんなどは「力をつけるためにベンチャーのほうがいい。むしろ大手は40歳からが仕事なので若手だと誰からも欲しがられず転職もきつい。ルート営業なんてもってのほかで使えない人材。」と(いったニュアンスで)言い放っています。これらを踏まえたうえで、ヤコバシさんとしてはベンチャーは完全におすすめしないという認識でしょうか?

    ⑤また、ヤコバシさんは白熱教室の音声で「入社した不動産ベンチャーは、実は歴史も長くベンチャーではなかった」とおっしゃっていました。世の中には、少人数でカレーの作り方を学べるベンチャーや、意外と定時で帰れるベンチャーがあるとも思うのですが、これらの企業の存在は幻想でしょうか?または、事前に見つけることができない不可知性を持つのでしょうか?あるいは、これらのいずれでもないのなら、こういった企業に入る独立戦略自体に問題がありますか?

    • ヤコバシ ヤコバシ より:

      ④ベンチャーについて
      豪商クラトロさんやあべし校長の手法ですね。アリだと思います。個人事業主として成立しやすい業種ならいけると思います。ただし本気でその職種で一旗上げてやろうという気概がないと難しいと思いますよ。クラトロさんも「絶対豪商になる」と決めていたからと語っておられましたし、あべしさんも「プログラミング身に付けてさっさと独立するつもりだった」と仰っていました。そういうことです。

      Utsuさんの主張(若いうちは力をつけろ)も一理あります。私も新卒の頃そう思っていました。しかし、営業というカテゴリーに関しては、個人の力などいくらつけても、キツいだけでした。なぜならキツい種類の営業をしていたからです。「ルートは力つかない、使えない人材になる」とのことですが、ガチのルートはそりゃ、そうでしょう。ヤク○トを売って歩くみたいな営業ですね。あとは中小規模の商社もこれになりがちですね。私が推奨する化学メーカーは、ガチればちゃんと化学物質についての知識が身につきます。教科書的な内容ではなく、実戦での知見が身につくのです。こうしてケーススタディを積み重ねた化学営業マンは強いですよ。
      「営業力」というフワフワしたものに頼るのは意味がありませんでした。営業力があっても、商品がダメなら売れませんよ。そうではなく、商品の持つ力を借りるのです。知識と経験という実務力で武装する。そうすると、自ずと営業マンとしても成功できます。このことについてはまた別のブログを作っています。それを統合して2冊目の電子書籍も書きますね。少々お待ちください。

      ⑤ベンチャーで力がついたからでは?
      まず訂正させてください。私は「不動産ベンチャー」には入っていませんよ。「ベンチャーを自称する、ただの中小企業(建築関連)」に入社しました。まず「ベンチャー」の定義ですが、私は「新しい市場を作る会社」をベンチャーと捉えています。そのため。やはりこの会社はベンチャーではなかったのです。創業当初は確かにベンチャー的でしたが、もはやただの中小企業になっていました。
      「ベンチャーではイチから仕事するから力つく」とはよく言われることですが、これはちょっと注意しなくてはいけません。「やらせてもらえる」のではなく「やらなきゃ回らない」からやらざるをえなくて、やるんです。大企業なら営業なら営業の仕事に専念します。材料の発注業務、売上が入金されているか確認したり、決算書類を作ることはありません。ベンチャーは多くの場合零細企業なので、必然的に複数の業務を担当しなくてはならなくなるのです。これが結果的に力になる、というのは正しいです。でも「習う」みたいな気持ちでいると泣きます。大学の友達3人と文化祭のお店を開くとします。店の設備を作って、材料調達し、調理、呼び込み、販売して売上を分配…こういうのをやや大きなスケールでやるようなものです。
      とはいえ、貴方がベンチャーに憧れと希望を持っていることもまた事実。私が上記のようにネガティブなことを言っても聞かないでしょう。ならば、入ってしまえばよいです。ただ、半年くらいで幻想を打ち砕かれたら、長居はせずに転職しましょう。いいんですそれで。私も散々、親や友達に諭されたけど無視して自称ベンチャーに突っ込みました。半年でおかしいなキツすぎだろと思いましたが惰性で3年続けてしまいました。
      このように、自分で体験するが一番です。繰り返しますが「やばいんじゃね?」と思ったら長居しないこと。それだけです。その時は、またこのサイトを読んでもらえたらと思います。もちろん、運よくアタリのベンチャーに入れる可能性もあるでしょう。しかしゆるふわではなく”普通に”働く必要があると思います。ベンチャーはそんなに余裕ないと思いますので。
      私に言われてベンチャーを断念したら、きっと悔いが残りますよ。むしろそこまで言うなら入った方が良いです。そして、自分の目で見極めて、納得しましょう。

  8. より:

    とても参考にさせて頂いています。
    新卒で就活中です。

    ヤコバシさんは「営業職基礎は誰でもつく。だから積み上げがきく化学メーカーでの営業がオススメだ。」と主張されているかと思います。

    しかし、初めに入った激務の会社での営業経験で力がついたからこそ、その結果、その営業を評価されたことによる今の会社への転職成功や、ゆるふわながらも実力があるため営業成果が出せている、という隠れた因果関係が潜んでいる可能性は無いのでしょうか?サウザーさんも然りです。

    リバースエンジニアリングなため明確には確かめようがないとは思いますが、たとえば、元ZOZOの田端さんの初めに入ったNTTでの激務が基礎を作っている、メモの魔力の前田さんも初めに入った証券で朝5時から働いていたなどと著書に記録しており、(サウザーさんヤコバシさん含め)成功者には”初めに激務”の人が多い気がします。むしろこちらの主張ほうが擬似因果なのでしょうか?

    まとめると、これらを踏まえても、”新卒は初めからゆるふわに入るのではなく、最初は激務”というルートは、愚策でしょうか?

    • ヤコバシ ヤコバシ より:

      回答します。
      ①転職について
      激務により力がつく、というのは確かにあります。が、そんな苦労はしなくても良かった、力なんてなくて大丈夫だったじゃん、というのが私の結論です。少なくとも「雇われ人」をする限りにおいては、そういう無双の力は要りませんでした。
      私が転職できたのは、いくつか要因が重なっています。まず今の勤務先に若手がおらず、若い人を欲していたタイミングに26歳で出会えたこと。あと学歴(MARCH)もプラスに働きました。また、個人的な能力を言えば、私は愛想が良く、第一印象が良いとよく言われます。このことからも、2冊目に作ろうとしている電子書籍においては第一印象力を高めることを推奨します(今書いてるから、ちょっとお待ちを)。
      サウザーさんについては、あくまで憶測ですが、まず1社目が著名な大企業だったこと、そして年収ダウンを受け入れたとのことですから、そういう要素があったのだと思います。また、サウザーさんも第一印象かなり良いので面接は強いと思われます。

      ②激務について
      激務には2種類あると思います。自分でやる激務と、上司に言われてする激務です。ユルめの大企業にいたとしても、自分の成績を伸ばそうと思うなら、その働き方は自ずと激務になっていくでしょう。訪問件数を増やしたり、提案書類を作ったり、そのための勉強をしたりしていれば、勝手に激務になります。しかしそれが自発的なのか、強いられているのかは全然違います。強いられているというのは、上司に「今月の売上予測どうなってんだ!?絶対達成だからな!今見込み何件だ!?」と毎日詰められているような状況です。これはもう、怒られて詰められて、無理矢理がんばっている状況です。泣きます。
      私の場合は、両方でした。私は自分に力をつけたいと願い、また会社も営業マンを叩いて売上を増やすタイプの商材でした。
      その相乗効果で、私は自作の資料をたくさん作り、膨大な訪問件数をこなしました。結果、売れたというだけで正直…徒労でした。
      化学メーカーに転職してからも、同じようなことをやりましたが、これはうまくいきませんでした。なぜかと考えたら、当時の私はただの第一印象が良いだけの営業マンだったからです。そこから、私の次なる研究が始まりました。それを結集させたものが2冊目に企画している「被購買力」です。すこしネタバレしますと、結局お客さんというのは知識と経験豊富なプロから買いたいわけです。そして騙されたくないわけです。怪しいヤツから買いたくないわけです。初心者が陥りがちな落とし穴を事前に教えてくれて、それをふさいで一緒に歩いてくれる頼れる朋友を求めているのです。そういう営業マンになれたら、自ずと新規開拓できます。

      まとめ
      なんというか、激務にも種類があるんですよね。根性でがんばれ!と尻をバシバシ叩かれた結果、成果が出るタイプの激務と、良い商品が既にあるとか、良い対応ができる下地が整っている会社で自発的に頑張るか。でも、貴方が自分を鍛えたいと言う気持ちもわかります。私もそうでしたから。でも、「あっこれはアカン」と思ったら長居はせずに転職を検討してください。またこのサイトにきてください。それで良いです。

  9. より:

    ”技術営業”でもゆるふわできると思いますか?

    大手では”製品が5,000あるのでまずは技術営業→営業というキャリアプランでの募集”といった企業が多々あります。

    一方中小部品や機械メーカーなどでは募集が技術営業だけのところもあります。または営業と書かれていても実態は技術営業なところです。たとえば”うちの営業は提案型!最終的にはお逆様と商品を開発していくエールスエンジニアを目指していただきます”と表記されている、などです。

    技術営業は研究職よりなのでゆふるわできないような気もしますが、どうなのでしょうか。

    また技術営業は化学メーカーには少ないような気がします。新規製品がバンバン出る会社だと導入されんのでしょうか。

    • ヤコバシ ヤコバシ より:

      回答します。
      「ゆるふわできるかどうか?」の問いに対して答えは一つです。「毎月、勝手に売れる商品か?」これだけです。ここがないと、いかに良い商品だと言っても、営業マンは上司に「今月いくら売れるんだ!?」と詰められて全然ゆるふわできません。私が推奨する化学メーカーの営業マンは勝手に毎月売れるから、ゆるふわなのです。
      「技術営業」の人、取引先にいます。その人はその先のお客様に営業にいき、案件をもらい、適合するものを開発し、提案して売っています。この「開発」の部分ですが、正直、誰でもできるなっていう感じの開発です。要するに混ぜる割合を実験しながら決めるとか、そんな感じでしたね。大変そうでした。そもそも「技術営業」なんていう言葉を使っている会社、私はキライです。そこは分けろよと思います。なに兼務させてんの?できるわけなくね?と思います。人手が足りないか、人件費を節約したいんでしょうか?わかりませんが。セールスエンジニアなんて、ゆるふわしてるイメージが全然なくないですか?開発も営業も自分でやるんですよ?2人分ですよ。
      化学メーカーは、技術や研究が明確に独立しています。技術と営業が兼務なんてあり得ません。技術に営業させる意味がない…というか非効率すぎます。技術は開発に専念した方が絶対良いです。たまにの出張くらいならいいですが、常態化してるのはちょっとアヤしいですね。
      先述の私の取引先の話をしましょう。その会社は建材関連のメーカーで、末端の客が大手の建材屋です。その末端の建材屋には全国区に展開しているカタログがあり、その建材カタログに掲載されないと、私の取引際の商品は市場に流通しません。そのカタログに載るべく、商品開発している人が、私の取引先で、技術営業マンでした。そのカタログは1年に1回ほど改訂があるので、そのたびに掲載をキープするために改良したり、また他社からページを奪うためにコストを下げたりする営業をしてましたね。大変そうでした。また、他社に負けちゃったことがあり、商圏失ってましたね。やっぱり大変そうでした。私にも」「もっと値下げしてくれないか」とお願いしてきましたが、会社方針もあり、あまり下げてあげられませんでした。かわいそうでしたね…
      私見ですが参考になれば幸いです。

  10. より:

    ありがとうございます。参考にさせていただきます。質問なのですが、企業を探す際にその”カタログが新し書く変わるかどうか”や”勝手に売れるかどうか”などは、どう判断するのでしょう?最終製品かどうかやその他様々なヤコバシさんのブログの内容(営業利益率、中間製品かどうか、独占できているか、化学かどうさなどの製品の強さの値+平均年齢や離職率や残業などのゆるわ度の値)だけ見極められる、という理解でよろしいでしょうか。または、それらに加えて、なにか見るべき指標などはあるのでしょうか?またもしそうならば、一見値のいい化学メーカーであっても、先の例の建材メーカーのような悪い例(=ゆるふわできない)の企業はあるのでしょうか。

    • ヤコバシ ヤコバシ より:

      回答します。
      ①商品の見分け方
      先述の「カタログ毎年変わる」のは、末端商品です。つまりもう最終物の形が出来上がっていて、一般消費者の目に触れる商品ということです。私の経験では、こういう風に一般消費者に近づけば近づくほど、不安定になりがちです。不安定とは、売れたり売れなかったりが激しい、ということです。例えばボールペンなどはいろんな会社が毎年、新製品を出していますよね。そこの競争は熾烈ですよね。しかし、ボールペンの本体というか筒の部分のプラスチックを作っているメーカーはどうでしょうか?どのボールペンメーカーが勝とうが、出荷の総量は大して変わりません。そういう、源流や上流に近い会社が良いのです。しかし現実的に、そういうプラスチックとか、いわゆる「素材」と呼ばれるものは上流に位置する企業が作っているので、学歴が高い新卒でないとまず入れないでしょう。なので、そこから1段下がった中流の工程に位置する化学メーカーが好ましいのです。しかも非上場のマイナーな会社です。志望者の競争が少ないですから。
      売上額やシェア占有率ももちろん大事ですが、それは「利益率」に自然と現れます。結局は「儲かっているかどうか」が大切です。他の数字に惑わされないように。ただ利益率が良いだけでも注意しなくてはいけないのが、次の②です。
      ②離職率など、「働き方の内情」を見る
      ①を満たす会社であっても、平均年齢・勤続年数・離職率は必ず見ましょう。結局、中にいる人がどれだけ不満を持っているかを表す数字だからです。完全な企業なんてありません。どこかで妥協し、どこかで納得しているから、人は勤務を続けるのです。そのバランスが崩れている企業は、離職率が上がるということです。この数字を「NA(ノーアンサー)」にしているところはそれだけで怪しいと思った方が良いでしょう。隠すってことは、そういうことです。他にも、ネット上にある口コミサイト(Open Workなど)を見れば内情は一発でわかりますね。逆に、こういうサイトをみても悪口が全然書いてない会社は、みんな満足してたり納得しているという意味になります。私も入社前に、今の勤務先を口コミサイトで調べました。しかし、ひとつも口コミがなく、入るまでドキドキでしたが、こりゃあ書く必要ないなと納得したものです。月額千円で口コミ見放題ですから、1ヶ月だけでも試してみたらいかがでしょうか。
      ただ原則的に、非上場の化学メーカーで儲かっているならば必然とその働き方はゆるくなります。きつくなる要素がないです。
      参考に、インベスターZの5巻をお勧めします。この5巻ではそういう隠れた優良企業について学べます(化学メーカーではないですが、BtoB企業の優良さについて学べます)巻末に就活で見るべきポイントについての解説もあります。

  11. より:

    お世話になっております。
    前回は質問にお答えいただきとても参考になりました。
    ありがとうございます。

    再度お伺いしたいことが5点あり、コメントさせて頂きました。

    (とても多くなってしまったので、他のブログの読者の方に参考になりそうな質問のみのご回答で構いません。お時間ありますときにぜひご教授いただけますと幸いです。)

    ——————————————————————————
    (以下質問)

    —–

    ①ヤコバシさんは、「最終製品の化学薬品」のメーカーについてどう思われますか?
    つまり効果がそれだけで完結するもので、たとえば、
    ・食品添加物
    ・排気ガス浄化用の薬品
    ・肥料
    などです。

    これらは”原料”ではないため、おそらく樹脂と比べて「勝手には売れず」、
    また、デュポンや三井化学などの大手化学メーカーが、人件費の安い国で質が良く安い上記の薬剤を大量生産した場合、簡単に負けてしまう気がします。

    なぜなら、これらは原料ではないために、お客様との密接な微量の調整などが不要となるからです。そのため、お客様はより良い製品があれば、すぐにそちらに移ってしまうという懸念が浮かびます。(たとえば、排気ガス浄化用の薬品ならば、実際に使ってみてより良い方を買う、といった具合に。)

    一方で、同じファインケミカルでも、
    ・ボイラー用薬剤
    ・添加剤
    などは、一応は原料なのでお客様の製品との綿密な関係性が必要なため、参入障壁が高くなりその結果ゆるふわ営業になるように感じます。

    なお、今回の登場する化学メーカーはすべて売上高営業利益率が5%以上あり、離職率や口コミも良いと仮定します。

    【①まとめ】
    「最終製品化学メーカーでもゆるふわできますか?」

    ——

    ②ファインケミカルメーカーは化学素材メーカーに対しどのくらい劣りますか?
    また、最終製品メーカーはファインケミカルに対しどのくらい劣りますか?

    —–

    ③高純度の化学メーカーについてはどう思われますでしょうか。
    たとえば、大企業ですが”信越化学”は高純度のシリコンウエハを独占し、超高利益を得てています。また中小だと、高純度薬品(いまだとエタノールなど。工業用だと半導体用など)・高純度ガス・工業用試薬など、確かな高純度に対する需要が存在しています。

    しかしその一方で、高純度はたしかに作製は難しいものの、「ただ高純度にすればいい」というわかりやすい目標があるため、そのうち中国などに追いつかれ滅びるような気がします。やはりお客様との綿密な調整が必要な(おそらくヤコバシさんが入社されている)有機の樹脂分野が最強なのでしょうか。

    【③まとめ】
    「高純度化学メーカーでもゆるふわできますか?」

    —–

    ④「フィルム企業」についてはどう思われますでしょうか。フィルムは半導体などに使われ、
    かつ個食用へと食品分野でも伸びています。しかし、フィルムは最終製品に近く、また真似しやすそうなため差別化が難しそうです。一方で、化学素材よりかは良くも悪くも入社しやすい印象を受けます。

    【④まとめ】
    「フィルムメーカー」でもゆるふわできますか?

    —–

    ⑤製品群が広い会社は危険でしょうか?
    もし樹脂を扱っている会社に入れたとします。そこが樹脂専業メーカーであれば、ゆるふわな樹脂の営業マンになれるでしょう。しかし、たとえば樹脂+半導体材料の会社だった場合、半導体へ配属されるリスクはあると思います。また、化学だけでなく、機械や商社も副業で行っている会社もあります。たとえば半導体は変化の速く積み重ならない分野なので美味しくなくその事業だけ激務、などといったリスクがあると思います。そうだとすると、あまり手を広げていないメーカーのほうが、入社に際しおすすめでしょうか。

    【⑤まとめ】
    樹脂を狙い撃ちするために、「樹脂専業メーカー」を狙うべきですか?

    —–

    ⑥オーナー企業についてどう思われますでしょうか。ヤコバシさんの会社はオーナー企業とブログで拝見したのですが、よく言われるオーナーによるデメリットは無いのでしょうか。たとえば、
    ・オーナーに気に入れらなければ終わり
    ・オーナーの権力が大きすぎる
    ・外部の視点がなくイエスマンで塊滅びやすい
    などです。

    —–

    質問は以上です。
    もしよければご回答のほど、何卒よろしくお願い致します。

    • ヤコバシ ヤコバシ より:

      回答します。
      質問文を適度に引用しつつ、都度回答します。

      ①「最終製品の化学薬品」のメーカーについて
      効果がそれだけで完結するもの
      ・食品添加物
      ・排気ガス浄化用の薬品
      ・肥料
      これらは”原料”ではないため、樹脂などと比べて「勝手には売れない」のでは?
      (回答)「あとは使うだけ」状態の最終製品は安くなる傾向があります。こういう品物の場合、勝手に売れるかどうかはシェア占有率次第です。シェア1位ならゆるふわでしょう。コモディティ品は避けた方が良いです。

      また、大手化学メーカーが、人件費の安い国で質が良く安い上記の薬剤を大量生産した場合、簡単に負けてしまう気がします。
      原料ではないため、お客様との密接な微量の調整などが不要となるから。お客様はより良い製品があれば、すぐにそちらに移ってしまうという懸念。
      (回答)その通りです。実際にそのように海外で大量生産されて国産品が不採算になった例はいくつもあります。昔は中国、次にタイ、今はベトナム、インドネシア、マレーシアあたりで生産してますね。

      一方で、同じファインケミカルでも、
      ・ボイラー用薬剤
      ・添加剤
      などは原料なのでお客様の製品との綿密な関係性が必要なため、参入障壁が高くなる。結果ゆるふわ営業になるのでは?
      (回答)その通りです。私はボイラー用薬剤には詳しくないのですが、その製品が「秘伝のレシピ」で作られるものなら良いと思います。美味しい老舗のうなぎのタレは、簡単にマネできないから良いのです。

      なお、今回の登場する化学メーカーはすべて売上高営業利益率が5%以上あり、離職率や口コミも良いと仮定します。
      (回答)この仮定はどうなのかな…5%って製造業的には平均です。10%まで行けとは言いませんが、6〜8%あれば「儲かっている」と言えて、つまり製品に競争力があるということです。儲かっているかどうかで、その会社の製品が他社と値下げの消耗戦になっていないということを判断できます。離職率や口コミも大事です。

      【①まとめ】
      「最終製品化学メーカーでもゆるふわできますか?」
      (回答)シェアが高いならゆるふわ要素あり。それは収益からある程度読み取れる。コモディティ品は危険。

      ②ファインケミカルメーカーは化学素材メーカーに対しどのくらい劣る?
      (回答)一般的にですが、ファインケミカルは純度が高かったり、精製するのに専用の高機能の設備が必要だったりで、どの会社でも気軽に作れるような性質ではないことが多いです。そのため、寡占化が進んでいるならゆるふわ要素があると思います。というか大企業くらいしかそういうガチのファインケミカル精製できないと思います。設備が高度で高価なので。そのため自動的に寡占化します。が、近年は中国あたりがお金をもっていますので、そういうファインケミカル市場に参入する可能性もありますね。③質問でもその辺絡んできます。優劣はそこで語ります。

      また、最終製品メーカーはファインケミカルに対しどのくらい劣りますか?
      (回答)最終製品は、コモディティ化していたら全然ダメでしょう。要するに類似品が世の中にたくさんあるよ、代わりはいくらでもいる状態です。最終製品であっても、その会社しか作れないものなら競争力ありますし、勝手に売れますが、似たような効用のものが世の中にたくさんあったら、値崩れします。iPhoneは値崩れしないけどAndroidは値崩れしますよね?そういうことです。

      ③高純度の化学メーカーについて
      信越化学は高純製品で市場を独占している。中小メーカーでも高純度薬品(エタノールなど)・高純度ガス・工業用試薬などが存在している。高純度品は製造が難しいものの「高純度にすればいい」という特性から、そのうち中国などに追いつかれるのでは?やはりお客様との綿密な調整が必要な有機の樹脂分野が最強なのか?
      (回答)信越は規格外の企業なのであまり参考になりません。もはや業界のトップランナーとしての設備投資と、信越というブランドイメージもあります。当然、シェアは1位ですので今後も安泰でしょう。信越ほどの実績と供給力がある会社が他にありません。
      さて中小企業の高純度品について。これもシェア取れているかが大事。シェアが高いなら、大量に売れるので、安く売れる。そのためますますシェアが取れます。この循環に入っていないとキツい。
      有機の樹脂分野には化学反応による秘密のレシピがあるので、マネされにくい特性があります。

      【③まとめ】
      「高純度化学メーカーでもゆるふわできますか?」
      (回答)高純度品は、よく言えば「純粋な製品」ですが、逆に言えば「単純な製品」です。全然、秘伝のタレになりません。焼き鳥で言うなら「塩」みたいなもんです。ただシェアが圧倒的であれば良いと思いますが、やはり海外勢の安売りには警戒しなくてはならないでしょう。そういうコモディティな品を作っている会社は、利益率悪いです。薄利多売スタイルせざるをえないためです。こう言う品物は、とにかくシェア占有率が肝心です。

      ④「フィルム企業」はどう思う?
      フィルムは半導体、食品分野でも伸びている。しかし、フィルムは最終製品に近く、また真似しやすそうなため差別化が難しそう。
      (回答)私の印象としては「とにかく安い」イメージ。食品とか絡むと一気に安くなります。最終製品が100円とかの包装材フィルムにいくらかけられるんだって話です。完全に薄利多売。ただし半導体やら医薬品向けなら、話は別です。こういうのは水蒸気を全然通さないとか、そういう高度な付加価値がついていたりしますから。私が見ている感じだと、フィルム業界も安さ競争に疲れ果てて、そういう医薬品とか電材へなんとか活路を見出そうと頑張ってる感じですね。特殊機能がない単純なフィルムはもう海外製です。

      一方で、化学素材よりかは良くも悪くも入社しやすい印象を受けます。
      (回答)私の感覚だと、フィルムメーカーって化学っていうよりも「加工屋さん」なんですよね。加工屋さんていうのは、マシーンをもっている。そして材料をいろんなところから買ったり、一部自社で作ったりして、それを組み合わせて最終製品にしていく、みたいな。加工屋さんは化学反応しないんですよね。「塗る」とか「貼る」がメインで、化学反応をしていない。だからマネされやすいんですよね。ポイントは化学反応だと思います。

      【④まとめ】
      「フィルムメーカー」でもゆるふわできますか?
      (回答)儲かる分野でシェア圧倒的ならゆるふわできると思います。コモディティ品の場合はとにかくシェアです。

      ⑤製品群が広い会社は危険か?
      たとえば樹脂+半導体材料の会社だった場合、樹脂に配属されたらゆるふわだけど、半導体へ配属されたらゆるふわできないかも?
      (回答)事業部が複数ある会社はありますね。その通り、リスクはありますよ。

      化学だけでなく、機械や商社も副業で行っている会社もある。変化が速く積み重ならない分野に配属されるリスクも考慮すると、専業メーカーがおすすめか?
      (回答)その通りです。そもそもそんな手を広げてる会社はたぶん真の化学メーカーではない。加工屋さんだと思います。「化学反応」やってそうですか?マシーンで塗ったり加工してるだけじゃないですか?商社を兼ねるのは、よほどの大企業であれば商事部門や子会社で商社をもっているパターンもあります。

      【⑤まとめ】
      樹脂を狙い撃ちするために、「樹脂専業メーカー」を狙うべきですか?
      (回答)別に樹脂じゃなくてもいいですが、とにかく「化学反応」してるところです。貴方がゆるふわにこだわるなら、専業の方が配属後リスクは少ないでしょう。

      ⑥オーナー企業について
      よく言われるオーナーによるデメリットは無いのか?たとえば、
      ・オーナーに気に入れらなければ終わり
      ・オーナーの権力が大きすぎる
      ・外部の視点がなくイエスマンで固め滅びやすい、など。
      (回答)これはもう「オーナーが良い人かどうか」によります。初代は良かったけど2代目はダメとか、2代目まで良くても3代目でダメ、とか無数にあります。私が新卒で入った1社目は、その3点を満たしててヤバかったですね。社長を怒らせたら即異動、意見したら超怒られる、みたいな。そういう会社は定着率悪いので、離職率で判断できます。もちろん口コミも見ましょう。
      オーナー社長の権力が大きすぎる、というのは、別に問題ではありません。その社長の持ち物なのですから。勘違いしているようですが、従業員は所詮従業員なのですよ。社長に意見して良いわけがありません。もし貴方がオーナー社長だったら、盾突いてくる社員を可愛く思いますか?そういうことです。そりゃイエスマンってか、自分と同じ方向向いてくれる社員を重用しますよ。この辺は、若き日の私もちょっと誤解してましたね。社長は合理的かつ平等、公平正大であるべき、と勝手に思ってました笑
      小さい会社ほどオーナー社長の考え方に共感できるかは大切ですね。とにかく社長の人柄による!ということです。
      とは言え、それをなんとかするのもまた処世術です。それについてのコンテンツも作るのでお待ちください。

      【アドバイス】
      新卒でゆるふわに入りたいという気持ちはわかりますが、それにとらわれすぎると受けられる会社なくなりますよ。ゆるふわは確かにあります。が、数は少ないのです。そのせいで就職浪人するのもアレです。中途でしか募集してない会社もあります。私の勤務先も、新卒の募集は理系しかなく、営業は中途採用が基本です。なので長い目でチャンスを待つのも手です。ましてや、このコロナ不況の真っ只中なのですから…でもとりあえず製造業(儲かっている)にしておけば、ブラックではないと思いますよ。

  12. より:

    お世話になっております。
    ①飲み会と、②取引先業界についてお伺いしたいことがございます。

    ①飲み会の多さ少なさを、業界や数値などで事前に見分ける方法はありますでしょうか。”会社の評判サイト”を見ると、勝手に売れそうな製品であっても、飲み会が多い会社そうでない会社があるように感じます。飲み会の多さを見わける方法はあるのでしょうか。

    ②原材料に近いメーカーでも、建材→土日も呼ばれる、医療関連→土日も呼ばれるなど、勤め人卒業には向かない、ストレスの溜まりそうな取引先をもつ社員の評判(ぐち)が多く見受けられました。一方で、たとえば車メーカー相手だと工場の時間的に原材料に定時に終わり、原材料メーカーの営業も定時終わりになる傾向にあるようです。なにか、建材や医療のような、こんな業界はやめておいたほうがいい、などありますでしょうか。

    • ヤコバシ ヤコバシ より:

      回答します。
      ①飲み会について
      これはもう、上司や先輩のキャラによる、としか言いようがないですね。私の勤務先でも、飲む人は毎日のように行っているし、行かない人は全然行きません。参加する・しないは個人の自由だと思いますが、忘年会や暑気払い、歓送迎会くらいは参加するというスタンスでも十分だと思いますよ。これらを欠席するとカドが立ちますのでコスパが良くありません。
      そうでない飲み会も、半分とか、3回に1回行くとか、そんな感じでセーブすれば良いかと思います。
      ここをケチりすぎると、先輩や上司から疎まれますので、ちょうど良いバランスを探るべきと思います。ネット上には「飲み会は不要!参加する価値なし!」とかいう人もいますが、これは危ないです。自分の首を締めます。ミスったときに助けてもらえなくなります。なので、あまりケチらずに、職場の人間関係に投資するのも一つの処世術ですよ。
      この記事も参考にしてみてください→忘年会の欠席は”巧く”ない

      ②商材や業界の特性
      その通りです。私も前職は建築系だったのでよぉくわかります。トラブったとか、人が足りないとか、間に合わないとか、そういうことが起きます。土日に施工するので、土日も全然休まりませんでしたね。そういう意見は、決して見逃してはいけません。医療系は、正直私はわかりませんが、ウシジマくんの「サラリーマン君」編で医療機器の営業マンがそんな目に遭ってましたね。それが真実なのでしょう。
      私が思うに、「一般消費者に近づくほどブラック化する」です。とにかく一般消費者は要求が多いし、ケチが多いしクレーマーが多い!そこに近づけば近づくほど、めんどくさくなるのです。
      建築メーカーとかも、大型ビルはともかく、戸建てとか工期が短いわ予算が無いわで大変ですよ。医療系も、患者が近いから、早く治せだのいろいろあるんでしょうね。そういう「働き方」の面でもそうですが、とにかく一般消費者に近づけば近づくほど儲からないし、大変なのです。だから一般消費者からなるべく離れてください。
      ボールペンのメーカーよりも、そのメーカーにインクを売っているメーカー。
      それよりもインクメーカーに素材を売っているメーカー。
      もっと良いのはその素材メーカーに素原料を売っているメーカー。
      源流は原油関連の会社へ行き着きます。
      ただし原油関連の会社は超超大手しかないので、必然的に中流くらいの化学メーカーが現実的な線となるでしょう。
      こちらの記事も参考にしてください→化学業界の階層

      • より:

        ご回答有り難うございます!とても勉強になります。

        ①の飲み会についてですが、質問意図としては接待の意味も含んで聞いておりました。わかりづらくすみまそん。
        つまり、飲み会には
        1.社内飲み
        2.接待飲み
        があるかと思います。

        1はたしかにランダムネスが高い他思います。一方で2の多い少ないは、見分けられるのでしょうか?

        会社の口コミサイトだとお客さんと飲みが多い会社と少ない会社に分断されていると思います。これはやはり、商品が弱かったり独占できていないので、飲みニケーション(=仲良くなって売りつけるという進化心理学的なバグ)を使った営業力()で売るしかなくなるのでしょうか?ヤコバシ様がよく例として挙げられる商社の例ですね。それとも、ある程度業界により違うのでしょうか?(例:建築相手は接待が多く、自動車は少ないなど。※あくまで例なので適当)

        • ヤコバシ ヤコバシ より:

          回答します。
          まず、統計データの紹介をします。国税庁が発行している『会社標本調査』という統計があります。この中に接待交際費に関する統計データが毎年、あります。現状で最新版となる平成30年のデータへのリンクがこれです。(なお、国税庁の統計データ置き場はこちら。ここから入るとエクセル形式もダウンロードできるので、パーセンテージを出したり並び替えをする時に便利です)
          さて、この「概要」のp20、21に接待交際費の分析があります。まず、企業規模での分析(p20)次に業界別の分析(p21)。
          見ると、お察しの通り建築・卸売・サービス・金融などがかなりの交際費を支出していることがわかります。「化学工業」もまぁまぁ高い数字が出ますが、これは「紙・パルプ」が入っているからです。この業界は接待ベタベタですから、致し方ないでしょう。僕からしたら、足を引っ張られた気持ちですね笑。
          何故こんなことが起こるのか?というと、やはり「商品力がないから」に他なりません。人間関係でゴリ押す、いや、ゴリ押せるタイプの商材はこうなります。つまり
          「誰がやっても大体同じ(建築の施工)」
          「どこのメーカーでも大して変わらない(紙製品)」
          「どこから買ってもいい(商社・卸売)」です。
          ただ、この5年くらいで各業界、かなりコンプライアンスに厳しくなってきています。そういう癒着による非効率があるとバレてきているんですね。一昔前は、建築業で大手ゼネコンの作業所長になったら家が1軒建つと言われたものです(ワイロや袖の下をもらいまくる)。ただ、そういう悪しき伝統は会社に甚大なイメージをもたらしますので(最近だと2019年大問題になった関西電力の原発の賄賂など)接待を排す動きも強まってきています。そのため、最近では「お中元・お歳暮は絶対受け取りません」「接待は固辞します」と明言・通達している大企業もあります。
          ただ、そうは言っても簡単に「飲み」の文化はなくならないでしょう(今は感染症対策でいけないですが)。その傾向については先述の「商品力」があるかないかがポイントです。私の勤務先も、よほどの上得意様でなければ無駄な接待はしません。新規開拓の時にちょっとするくらいでしょうか。
          私の経験ですが建築業界は「昼間に営業する奴は二流。仕事は夜に決まるんだ」と言われていて、ゼネコンに使ってもらえるかどうかは接待の場、キャバクラで決まるんだみたいな事も言われていました。実際そうでしたね。
          商社も似たようなものです。「どこから買ってもいいけど、まぁ強いて言えばあそこかな」と選ばれるために、人間関係を作るのです。そのために、購買担当者を飲みに誘うことに、商社マンは一生懸命です。ただ、最近は購買担当者にも厳しいコンプライアンスの目が向けられていますから、そういう癒着を嫌い購買担当者も多いですね。
          比較的小規模の会社の場合には、そういうコンプライアンスをあまり気にしない傾向がありますのでご注意ください。p20の「会社規模」での分類も、そういう世相を表していると感じます。大企業はかなり気をつけている印象です。

  13. mass より:

    プラスチック染料(顔料)や塗装の化学メーカーは利益率が高いと思いますが、すぐに代替されそうです。意外にも参入がむずかしいのでしょうか。
    また、中小企業だと「多種多様な製品を小ロットで作成していること」を売りにしている企業が多くあります。利益率も10%付近です。しかしこれでは、営業が製品量を大量に覚えるかつライフサイクルも短そうなので、仕事は大変になってしまうでしょうか。

    • ヤコバシ ヤコバシ より:

      回答します。
      ①顔料・染料・塗料メーカーについて
      まず顔料や染料ですが、これは意外と代替が難しいものです。同じ「黄色」でも本当に細かい違いがあります。「この会社のこの番手の黄色じゃないとダメ!」というものは意外と世の中に溢れているのです。また、顔料・染料メーカーは、実は「得意な色」が各社あります。「この会社の赤は発色がすごく綺麗で、色あせない」というものもあります。
      塗料メーカーも、これに似ています。「この塗料メーカーのこの色の番手でないと、うまく仕上がらない!」というものが結構あります。これらは顔料・染料メーカーの力と、塗料メーカーの配合の技術の賜物ですね。ただし塗料メーカーに関しては、工程で言うとやや下流・川下になります。つまり一般消費者に近くなる。そうなると「安くしろ」圧が強まりますので、収益性は残念ながら悪くなりがちです。とても差別化できている製品を作っているなら別ですが、私の経験では、塗料会社はもう行き着くところまで行っている感があります(もう改善の余地があまりない)。こうなるとあとはシェアをどれだけ独占するかの勝負になりますから、シェアを取っている割合に着目すると良いかと思います。ただ、塗料メーカー各社、得意分野があります。建築なのか、自動車なのか、インフラ系なのか…さらには「そんなところに使うの!?」というニッチな塗料もあります。
      やはりそういう風に商売がうまく行っているかどうかは利益率に表れます。

      ②少量多品種の中小企業は大変?
      ありますね。むしろそれしか中小企業が生き残る道はありません。大規模な需要があり、それに大規模な生産設備で応えるのは大企業の仕事ですから。
      さて「営業は大変じゃないのか?」ですが、これは大丈夫です。多品種とはいえ、根っこは同じようなものです。焼豚チャーハンがエビチャーハンや高菜チャーハンやレタスチャーハンに派生するようなものですから。
      ライフサイクルが短いものもあります。例えば電材系です。スマホや車の中身なんかは毎年モデルチェンジがあり、その材料も毎年モデルチェンジする必要があります。なので確かに営業マンとしては大変です。これは仕方がありません。逆に、ロングセラー品に使われている材料なんかはラクです。利益率は、取れるものと取れないものがあります。こちらもやはり、一般消費者に近づけば近づくほど儲からなくなります。ロングセラー商品とは、何十年も売れているようなもの、形が変わってないものです。なのでどんな最終製品に使われているのか?が大事だったりします。会社の中には、儲かりやすい電材に特化している会社もありますが、中の人は大変だと思いますね。幅広くやっているところは良いです。建材も、電材も、日用品も、自動車も…といろんな業界へ供給しているメーカーです。ただ自分がどこの部署に配属されるかは運…ですが、花形部署に新卒でいきなり行くことも珍しいでしょうから、あまり心配せずとも良いかと思います。
      話を戻すと、利益率が取れているならばそこには必ず理由があります。