先輩は反面教師

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知識習得

会社は当然ながら先輩や上司がいる。新入りの場合、それらの人達の意見に逆らうことはとても難しい。郷に入りては郷に従えとも言われるように、まずはその対応で行くのが正しいだろう。しかし、いつもでもその姿勢でいると、肝心なことを忘れてしまう。

店番だけでよかった時代

日本が成長し続けていた時代があった。経済が右肩上がりで、人々が豊かになり、モノが足りない時代があった。この時代においては作れば作るだけ売れた。モノが足りなかったからだ。生活必需品からスタートして、バブル経済によって嗜好品も、高級品も需要が急増した。

バブル期はお金もあったから、作れば作っただけ売れた時代もあった。そんな時代においては、営業マンというのは品物を切らさないように、迅速に売ることが求められた。いわゆる店番的な働き方が重視された時代だ。もしくは御用聞き型で客先を回るのも有効だった。物が足りない時代だったからだ。

しかしバブル崩壊後から日本は不況に陥り、長い平成不況に入った。嗜好品、贅沢品は売れなくなり、生活必需品も値下げ競争に突入した。ともなって、営業マンも売れないものを売らなくてはならなくなった。そんな努力もむなしく、自然淘汰された企業が相次いだ。

そんな試練の時代を乗り越えた企業が化学業界には多く残っている。そんな化学業界の営業職にはちょっと特徴がある。

「俺は営業だから」

「俺は営業だから」という考え方をする人がいる。営業だから、技術的なことは詳しくなくていい、勉強しなくていい、というスタンスだ。これは先述の店番だけしていたらよかった時代の名残だ。この考え方の人は、変わらない。もう変われるような年齢ではない。

化学業界は若者が少ないから、こういう人が直属の上司や先輩、教育係になることも多い。その教育係から「俺たち営業は技術のことなんて詳しくなくていいんだよ、技術的な質問は、技術に投げればいいんだよ」と教わる可能性が高い。

だが、この記事を読むあなたには、そうなってほしくなくてこの記事を書いた。

必要とされる営業の特徴

これを書いているのは2019年、平成最後の年である。当然、モノは足りているし性能は十分だ。長いデフレのせいで価格は下がりきっている。そんな環境下においても、企業は自社のシェアを伸ばすための努力を続けている。

さらなる性能アップ、コストダウン、効率アップ、新製品の開発…企業は努力を続けて、生き残りに全力を尽くしている。そんな会社が相手となるのだから、面と向かう化学メーカー営業マンに求められるのは、知識と漢気の2つだ。

知識は増やそうと努力せよ

知識とは、そのままの意味で、自社製品とお客さんの製品について学び、質問には適切な回答が即座にできることだ。もちろん、本当に難しいことは技術部に確認しますでも良いが、営業が対応できる知識を増やしておくことが大切だ。お客さんの立場になればわかると思うが、知識経験の豊富な営業マンに答えを教えて欲しいというのが本音だ。素人はお呼びでないのである。先述の「俺は営業だから」の人はここで役に立たない。役に立たないから、結果として売れない。「技術に確認しますね」ばかりだったら、そりゃ確実だろうが、お客さんが感じる印象はどうだろうか。

これは一朝一夕に身につくことではない。だからこそ、営業であっても知識を増やさなくてはいけないのだと、「俺は営業だから」と開き直ってはいけないのだと知って欲しい。

漢気は特殊スキル

漢気(おとこぎ)は重要スキルだ。仮にあなたが女性でも漢気は持てる。なぜ漢気が必要かというと、化学業界には漢気がある営業マンがとても少ないからだ。化学業界というのは基本的におとなしい人、事なかれ主義の人、そもそも歳を取っていてやる気がない人が多い。こういう人たちはすぐに「あぁ〜それはウチでは無理ですね」とか「やったことないですね〜」ですぐに断ってしまう習性がある。それはその人がメンドくさがりやとか、やる気がないパターンももちろんある。とにかく化学はヌルい業界なので、大失敗さえしなければ良い。ゆえに店番に徹して、イレギュラーなことは徹底的に避ける人もいる。

だが、お客さんは漢気ある営業マンを求めている。お客さんだって、無茶を言っているのはわかっている。なぜなら多くの同業他社が「それは無理」と言うからである。それを「何とか、やってみましょう」というスピリット・漢気を持っている営業マンは貴重だ。

もちろん、条件的に本当に難しい事とか、自社にとって不利なことが明らかなものはこういう理由で難しいとちゃんと説明する。逆にこの条件がよくなればできるかも、というような提案の仕方だ。そして、「めんどくさそうだけど、頑張ればできるのではないか?」というラインの案件が重要で、ほとんどの営業が「めんどい」という感情に負けてしまうところを漢気を持って「やってみましょう」と言えるか否か。ここがお客さんの気持ちをつかめるかどうかのポイントだ。

ここでお客さんから「頼りになるな」という印象を持ってもらえたら、仮にその案件がダメでも次につながっていく。当たり前のことと思うかもしれないが、化学業界においてはかなり稀有な存在になれる。

面従腹背

このように、化学業界の先輩営業マン達は知識もないし漢気もない人が、正直多い。だがこれは先述の通り、業界的な特性として致し方のないことなのだ。これからも、このような人たちのような働き方であっても化学業界は大丈夫だと思われるし、この人たちが職を失うこともないだろう。それだけのユルさを許すだけの力が、化学業界にはある。だからこの人たちが滅びるのは定年退職以外にない。

僕はこのサイトを読んでくれている人には、そうはなってほしくない。僕が提唱するのは、儲かっている化学メーカーで営業職を極めて、出世して幹部になること。そのためには営業の実績が絶対に必要だ。

だから「俺たちは営業なんだから技術には詳しくなくていい」という先輩や上司のいう事を聞いてはいけ。でも面と向かって反抗するのも、それはそれでマークされたりして損だ。だから面従腹背をしていこう。先述の通り、これらの人々が心変わりすることはない。だが定年退職の時は必ずくる。その時までに実績をしっかり積み上げておくこと。そのためには陰で勉強し、漢気を持つ練習をしていこう。

続き:社内営業が命

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